MOTスイッチ

冬学期になると、隔週で行われる講義も多くなります。

 

修論である『特定研究課題』のまとめも、最終段階に入り、院生も各個人のスケジュールで来校することが多くなります。

そんな事情もあって、誰も居ない、603教室です。

だけど、現役院生はもちろん、MOT修了生なら、そこに人気(ひとけ)を感じるはず。

 

院生時代、ともに苦闘を重ねた仲間の気配、それを感じるのでしょう。

正確には『想い出す』、つまり記憶が喚起され、それを人気として認識する。

 

それだけ並大抵ではない苦労するので、記憶に刻まれるということなのですが、それでなにが身につくのか?

 

これを説明するのが、少々難しい。

現役の院生時代には、授業で同級の仲間達や、ゲストスピーカー等の個性的な経営者の皆さまとの丁々発止のディスカッション等を通じ、自身の経営者的感性が研ぎ澄まされていくことを実感し続けることができます。

それが自信につながるし、結果的に自己効力感が高まることになるわけです。

 

ところが、MOT修了後、自社に戻る等して『非MOT』な人達に触れると、その差に愕然とします。

簡単に言うと、『話が通じない。。』これに尽きます。

 

自組織はもとより、取引先も然りです。

ですので、『MOTパワー』的なものを発揮することをセーブせざるを得ないことが多くなります。

これが続くとしんどい。。

 

なので、たまには同級生と会う(呑む)、キャンパスに顔を出す。

等の、MOT(知)のリフレッシュが必要になります。

 

で、よくあるのが、基本ゼミ単位にはなりますが、現役院生の特定研究課題のReviewへの参加です。

修了生つまり先輩が、色々な指摘をし、それに院生が感じ入る。

逆に、修了生自身も、知をリフレッシュする機会が得られ、大変良い刺激になります。

具体的には、短時間の内に研究課題テーマの主題を把握し、現状の内容に課題提起する。

もちろん、それが的確でなければ話にならないわけですし、修了生にとっても真剣勝負です。

 

シンプルに表現すると。

・思考の瞬発力を上げる

・思考の言語化を加速する

素早く!そして的確に!!

ですね。

 

先の、『無人の教室に人気を感じる』時点で、上記の2点は喚起されているはず。

それはつまり、『MOTスイッチ』がONの状態です。

 

そしてそのスイッチを、必要であれば瞬時にONにすることができる能力を得る。

MOTスイッチでONになる、精神のCyborg化?

それもまた、MOTを学び修めて、得られるものの一つです。